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陸にも海にも「掘る女」

ドキュメンタリー映画「掘る女 縄文人の落とし物 」が

本日(2022年8月6日 土曜日)公開されます。

 

 

イキイキと土を掘る女性たちが素敵で、 

見ていて思わずニコニコしてしまう作品。

 

私は叔父が考古学者なので、 

掘る人生を何となく身近に感じてきたけれど、

発掘現場に実際にお邪魔したことはありません。

 

遺跡の研究者や作業員の素顔に迫る 

この映画を見て、ついに疑似体験できて、

発掘の面白さを実感しました。

 

そういえば、陸ではなく海ですが、

市民参加型の科学調査の現場では

せっせと海の砂や泥を掘りました。

cf.) アースウォッチの干潟調査 

 

なんか既視感があるぞ、と思ったら、

映画に登場する女性たちは、

干潟調査で出会った女性たちと 

共通の輝きを放っているのでした。

 

公益に資する本質的な仕事を本心から

楽しんで実行している人、ならではの

美しさなのでしょうか。

 

宇宙や地球のスケールで物事を考えたり、 

縄文時代など悠久の時を日常的に感じたり。

理想的な、幸せの体現者という感じで、

見ているだけで清々しい気持ちになります。

 

 

久々に好きな作品と出会えた喜びを

海好き仲間が集まる場でシェアしたところ、

「海にも掘る女がいる!」

と気付かせてくれた方がいました。

 

JAMSTECの地球深部探査船「ちきゅう」

に乗船して、太古の地層を実際に掘って

研究している科学者の女性です。

 

深海底を掘削できる研究船は、

いま世界に2隻しかなくて、

その1隻が日本の「ちきゅう」。

 

もう1隻は米国の「ジョイデスリゾリューション

ですが、今この米国の調査船の存続が

危ぶまれているそうです。

 

署名集めをしたり、クラウドファンディングで

支援金を募るなど、ジョイデスは危機的な状況だと、

その「海を掘る女」(!)から教えていただきました。

 

※「海を掘る女」こと、阿部なつ江さん

(JAMSTEC MarE3 マントル掘削プロモーション室主任研究員)

の素敵な文章が、JAMSTEC50周年記念サイト

に掲載されています。ぜひご一読ください!

 

研究や学びは国力の根幹だと思いますが、

パンデミックや気候変動の激化や、

まさかの戦争など、もろもろ厳しい背景があり、

日本のみならず、かつて余裕があった国々の

風向きが変わってきているようで心配です。