我が家では、ペットボトルを自治体のゴミ回収所に出さずに、何本か貯めてから自転車で10分ほどのイトーヨーカドーに持って行っています。確実にリサイクルしてくれそうな回収機があるため。
nanaco(ナナコ)に交換できるポイントがたまりつつありますが、250本でやっと50円になる仕組み。何年か通っているけれど、ご褒美をもらえる日は遠いです。
そもそも消費する方向にモチベーションが働いてしまう仕組みって、どうなんでしょ?
いっそ金銭的インセンティブはなしで、やりがいのみ……例えば、この店舗で昨年これだけ回収できて、何本の再生ペットボトルが作れたよ!という報告があれば、案外、満足できそうな気もします。
一方で、そのへんに落ちている誰のか分からないペットボトルを洗って回収機に入れるのは相当ハードルが高いので、そこまでしてくれる人には、やっぱり金銭的報酬があったほうが良いと私は思います。財源は、ペットボトルを高くするか、ポイ捨てに罰金を科すか、その両方で賄うか……。
海無し埼玉県とはいえ、川の流域面積は日本一。大雨の日に下水道がオーバーフローすれば川に流れ出し、いずれは海ごみになるはず。
ペットボトルの回収機や分別ごみ箱のそばにも、キャップなどが散乱していることがあります。風に吹き飛ばされる前に拾わないとアウト。そんな光景、ザラですよね。だから、日本の分別や回収は優秀、という言説に甘えちゃいけない!と思うわけです。
最近、おいしい水を無料でくめるスーパーが増えています。でも、有料の指定容器しかダメ!という店ばかり。スーパーの系列ごとに容器の規格が異なったりするので、引っ越すたびに巨大な専用ボトルを買わされたりして無駄です。
世の中に腐るほど(腐らないけど)ペットボトルが余っているのに、それを活用できないなんて!
給水機専用の巨大ボトルは、仕事のある日には持ち歩けないし、働く車無し夫婦には扱いづらい。日本の水道は(民営化で揺れていますが)今のところ水質が良いので、たいていの用途には事足ります。傷みが早い浄水を一気にたくさんもらってきても、飲用目的だけでは使い切れません。
ちょっと出先で手持ちのボトルに足したいと思う頻度のほうが、(我が家の場合は)圧倒的に多いです。特に夏は。だから、くませてほしい、ペットボトルに。もしボトルが自由になる代わりに給水が有料になっても、新たなペットボトル飲料を買うよりは断然安いはず。
水が欲しくて立ち寄ったついでに他の買い物をする人もいるでしょうから、まさに「呼び水」ってことで。
そんなサービスがまだ身近にないので、出先で飲み水に困った場合、最も手っ取り早いのは、自販機でペットボトル飲料を買うこと。マイボトルを忘れたり、途中で飲み切ってしまったりするので、私もときどき買います。
水道水が飲めない国を思えば本当にゼイタクな話だけれど、トイレの手洗い場の水道水は気が進まないし、デパートの給水機では数口しか飲めないし、店に入るか自販機に頼るかの2択に陥りがち。
スーパーに設置してある清潔そうな冷えた給水機から自由なボトルに注げるようになったら、私は、そこを都会のオアシスと呼ぶでしょう。
それにつけても、山林が浄化装置として機能しているような日本の一部地域の水事情は素晴らしい。何もしなくても冷えた清水が絶えず湧き出て、好きな容器で24時間、自由に持って帰れるなんて、ゼイタクの極みです。天然の恵みには敵わないなー、自然は偉大だなー、と改めて思います。
なお、我が家では水道水をおいしくいただくため、沸かしてお茶をつくって、冷ましてから冷蔵庫で冷やしています。それを各自がボトルに詰めて出かけるスタイルです。
姉がお古の浄水器をくれたので、ここ数カ月はそっちも愛用して水出し茶も楽しんでいます。気のせいか、やっぱり水道水のままよりおいしいです。でもカートリッジが高価なので、容器全体が傷んできたら終わりにする予定です(そして、そのカートリッジも容器もプラ製です……)。
使い回しに重宝しているペットボトルは、炭酸水が入っていたもの。発泡系飲料のは分厚くて丈夫で、透明度も高い。洗って何度も使えます。一度で捨てるなんて、あまりにモッタイナイ。
ところが、できるだけペットボトルを長持ちさせたいあまり、カビが生えやすい底の凹凸を洗うペットボトル専用ブラシや、ボトルを逆さまにして干すグッズ ↓ に手を出し……
結局は、自然に還らない系の、将来のごみを増やしたのでした。
愚かよのう。家には割り箸や布がダブついているというのに。
百均ショップに親しんだ時期に買ったモノは、ほとんどプラだし、我が家の水回りからプラスチックを排除するのは大変です。 百均の盛況を見ると、そして昨今の貧富の格差拡大を見ると、プラからの脱却なんて無理じゃない?と思いたくもなります。
ペットボトルに話を戻すと、そもそも……
ペットボトル飲料の代わりにアルミ缶や紙パックを選ぶと、容器は飲み終えれば即ごみになるわけです。洗って使うことはしません。果たして、それはエコなのか。ペットボトルと比べて、どのぐらいマシなのか。
生産から廃棄までのトータルの分析(ライフサイクルアセスメント:LCA)で、二酸化炭素排出量がどのぐらい違うのか。
海ごみ問題も含めて考えた時に、資源的には、結局どれが正解なのか。
プラスチックの取材をしていて、よく話題に出るのが、実は、この「トータルで見ないとダメよね」という話です。
環境省のサイトで見つけたLCAデータは14年前と古いし、リサイクルする回数によっても細かく結論が別れていて複雑。でも示唆に富んでいます。このあたりを社会全体で読み解いて何らかの結論を出して、売り場の風景と私たちの暮らし方を変えていくしかない気がします。
私は今のところ、リサイクル率が高く、海に流れてもプラほど深刻な問題は起こさない(はずの)アルミ缶を選ぶようにしています。
アサイードリンクのフルッタフルッタのように信頼できるメーカーの紙の筒(カート缶)のものも、お財布に余裕があれば買います。
だらだら書いた結論として、今の私にできること。
- 専門の先生方に学び、仕事を通して最新の正しい知識の普及に貢献する(情報は日々刷新されるのでキャッチアップに努める。小難しい話のかみ砕きを頑張る)。
- プラ必須なのか代替が可能かの検証、回収の徹底、土壌や海洋で分解するプラスチックの上手な活用。そして海洋プラごみの主犯と思える日用品の「卒プラ」。そういう企業の試行錯誤を追いかけ、素敵な取り組みがあれば、応援する。
- 消費者として、今よりも化石燃料を子孫たちに残せて二酸化炭素も出さず、海へのプラスチックの垂れ流しも止まる、そんな方向を目指して日々選択し行動する。
コスト負担の問題もあるし、他にも社会課題や世間の関心事は山ほどあるし、緊急性の認識も国や個人でバラバラだし、容易ではないでしょう。でも、海ごみ問題がここまでフォーカスされたことは、かつてなく、影響が野生動物界を越えてヒトに絡んできたので、今度こそ大変化が期待できます。
「きっと万能なバクテリアか何かが現れて、海ごみをパクパクと食べ尽くしてくれるよ!」という妄想は、原発と同じ先送り論法なので、研究は必要だとしても頼り切るのは禁忌であります〜。