白浜到着の朝、白浜水族館に向かう道から眺める海上に、
見事な立ち姿?で輝いていた円月島。
真ん中の穴に夕日が入る!と聞いたので、
せっかくだから町に戻る復路は、
日が落ちる時間帯を狙おうと決めました。
でも、6月の日暮れはなかなか訪れない。
そこで一度ちょっと通り過ぎて、
往路で気になっていた「貝寺」にGO!
右手に見える、大きな二枚貝(シャコガイ)に囲まれた玄関が、
貝寺の貝殻コレクション室の入り口です。
チャイムを鳴らして入れていただいたお部屋は、
ここがお寺であることを忘れそうな空間。
ありがたいことに、撮影もOKです。
珍しい貝殻に混じって、タツノオトシゴやクジラの巨大な耳骨も!
昔はボタンの原料だった貝殻の光沢ある裏側や、
貴族の遊びに使われたハマグリもありました。
今よりも海や海の生き物が暮らしの身近にあり、
貝殻の手触りにも親しんでいた当時に憧れます。
海がマイクロプラスチックのスープのようになり、
ようやく海ごみ問題の深刻さに気付き始めた私たち。
身の回りのボタンもおもちゃも、プラスチックに
置き換わる前は、こうして軟体動物の置き土産に
依存していたのですね。やたら使い過ぎない限り、
地下の石油(太古の生物)に依存するよりも
余程サステナブルです。
そして、この下の写真の貝が、ここの一番の宝物。
お寺の名前(本覚寺)が入った「ホンカクジヒガイ」です。
うっすら笑みを浮かべたような上品な曲線に釘付け。
こんな不思議な貝殻は見たことがありません。
生きている姿の貴重な写真もありました。
外套膜がベロンと上の方まで覆うウミウサギ(ガイ)の仲間なんですね。
軟体部の模様と突起は、先鋭的なパリのファッションショーのよう。
貝殻をじっと見ていて、あれ、どこかで見たぞ?と思ったら……
朝の足湯でした。お湯の出口の形が、この貝だったんです!!
ちなみに、町の中にも、この貝がありました。
酸性雨?にやられたのか涙痕が痛々しいので
遠目の写真で。
どら焼きではありません。これも
ホンカクジヒガイのモニュメントです。
親切な住職とお話して本覚寺を出る頃には、すっかり日が暮れ、
円月島が正面に見える海岸は人だかりに。
大型バスで乗り付けている団体もいます。
「これ、どのへんから見たら穴に入ります~?(語尾アゲ)」
と私に聞いて、あやふやな情報をゲットしてしまった気の毒な方は
大阪方面から来た様子。アジア系を中心に外国の方もいっぱいです。
夕日が徐々に円月島に迫り……
ここからが、結構、長い。
背後にあった味わい深い「ボーグイ」の解説を読んだりしつつ待ちます。
船を係留する時に使った棒杭を海底から持ってきて記念に残しているもの。
解説板に大書きされた「ボーグイ」のカタカナ表記に、「いいね!」一つ。
いよいよ、となると正面を狙って左右から人が寄って来て、
カメラ(スマホのほうが多い)を掲げた人、人、人。
車を停めてシャッターチャンスを狙っている人もいます。
こんなに人気のスポットだったのか!と驚かされました。
そして、人垣の隙間から撮れた決定的瞬間が、下の写真。
丸い夕日が穴に入ったというより、
夕焼けが穴のあたりににじんだ、という感じ。でも満足です。
こうして私の初・南紀白浜さんぽは幕を閉じました。
白浜は、ひとことで言って海好きにとって天国のような所です。
もっとリアル生物と触れ合えれば、なおさらだったと思う。。
次の機会には準備を整えて、よりディープに楽しむ予定です!